抜歯が必要な親知らず、必要ではない親知らず
親知らずであれば、全て抜かなければならないのかというと、そうではありません。抜歯をお薦めする場合とお薦めしないない場合があり、抜くメリットがデメリットを上回るとき、抜歯をお薦めしております。
下記は、抜歯をお薦めするかお薦めしないかを決める指標の一例です。どのようなケースが当てはまるか、それぞれ見ていきましょう。
こんな親知らずは
抜いた方が良い
Xtraction
- 半分だけ頭が出ている
- 手前の歯の歯周病が
心配される場合 - 手前の歯の虫歯治療に
支障をきたす場合 - 矯正治療後
- 腫れたり治ったりを
繰り返している - 虫歯になっているが、
治療ができない - レントゲンで歯の周りが黒い(含歯性嚢胞、Pericoの疑いがある場合)
抜かなくても
大丈夫な親知らず
No problem
- 完全に骨の中に
埋まっている場合 - 真っすぐ生えていて、他の歯と同じように使っている場合
しっかり検査します
親知らずを抜くことを考えるとき、問題になるのは口の中を見ても見えない部分です。特に下顎の親知らずは根の部分が太い神経に近いことがあり、
その場合は慎重に治療計画を立てて抜歯に臨む必要があります。
歯科用CTによる検査Inspection
親知らずの正確な形がわかりにくい時や、前後的な位置が知りたい時は歯科用CTを用いて三次元のレントゲン写真をお撮りすることがあります。これにより、使用する道具などを工夫し、なるべく短時間での抜歯を目指します。
親知らずの種類Types of wisdom teeth
親知らずは、別名智歯または親不知と言います。専門用語では第3大臼歯と呼びます。
半埋伏智歯Semi-buried
頭の部分が半分だけ埋まった状態です。頭の部分は歯茎とも骨ともくっつかないため、歯茎が被った部分には汚れが日々蓄積されていきます。歯ブラシも届かないため、汚れや炎症性物質が一定量を超えると炎症が起き、腫れたり痛みが出たりするため、抜歯をおすすめします。
水平埋伏智歯Horizontal
真横に埋まった状態です。やはり頭の部分は歯茎とも骨ともくっつかないため、手前の歯の歯周病や虫歯のリスクが非常に高くなります。
手前の歯の歯周病や虫歯が進行しているようなら、抜歯をおすすめします。
口腔がん
がんはお口の中にもでき、治療は基本的に切除になります。
大きくなってしまうと、お口の中の大部分を切り取らなければならず、食事や会話に支障をきたす可能性が高くなるため、早期発見・早期治療が肝心です。
発生率は全体の癌の1~5%と言われています。
口腔がんの種類Types of Oral Cancer
口腔内にできるがんの一例を紹介します。
がんは口内炎と違い、放置しても治ることはありません。
同じ場所に口内炎が2週間以上あるようなら、専門家の診察が必要です。
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舌がん
口腔がんの中で、最も発生頻度が高いといわれています。
不自然な盛り上がりで、表面はザラザラしています。 -
歯肉がん
歯茎にできるがんです。不規則なでこぼこが特徴です。上顎よりも下顎、前歯よりも奥歯の近くにできやすいと言われています。 -
口腔粘膜がん
ほっぺたの裏側などにできるがんです。白い膜のようになっています。
前がん病変
前がん病変とは、がんに変化する可能性のある口腔粘膜の異常のことです。
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白板症
口腔粘膜に剥がせない白い膜のようなものができます。悪性化する可能性は低いですが、気を付けて経過観察する必要があります。また悪性でないことを確かめるため、切除して検査を行う場合もあります。 -
紅板症
白板症とよく似ていますが、色が赤いのが特徴です。50%が悪性化するといわれており、しっかりと検査することが必要です。
広島大学と連携Collaboration with Hiroshima University
がんなのかそうでないのかは、切り取って検査をしてみないと分かりません。また、悪性であった場合、一部を切り取ってしまうと切り口からがんが広がってしまう可能性があるため、入院施設のある病院での検査が必要になります。
当院は広島大学と連携しており、口腔がんが疑われる場合は、広島大学口腔外科へご紹介が可能です。